別府と湯布院2日目

ホテル晴海にて。朝飯をたらふく食べた後、部屋付き露天風呂に入る。新鮮な朝日を眺める。

タクシーにて別府駅へ。ここのタクシーの運転手はみなフレンドリーでよく話してくれる。
バスに乗り換えて鉄輪温泉街へ移動。地方都市ならどこで見たことのある町並み。本日の最大の目的である別府地獄巡りのスタート。

鉄輪のバスターミナルから、3,400mほどの上り坂を上がると地獄巡りどおりに達する。地獄巡りの名に反し、綺麗な石畳に整理された清潔感がある。


かまど地獄。入り口にあるお土産屋さんがいい味を出しており、面白い文言がプリントされたTシャツがたくさん置いてある。買おうと思って地獄を巡回。買い忘れてしまい後悔する。


鬼山地獄のワニ。温泉の地熱を利用して飼育しているようだ。昨日の高崎山の猿の群れは愛らしかったが、ワニの群れはなかなかにえぐい。哺乳類は、爬虫類に正体不明の嫌悪感を生得的に持っている。


海地獄の蓮の花。ここでも地熱を利用(?)して植物園を行っている。見事な蓮の花。地獄プリンを食べる。卵の濃厚な味が感じられて美味しかった。



坊主地獄。その一角には足湯がある。比較的地味。

山地獄。地熱を利用して動物を飼育している。かばの昭平にえさをあげたが見向きもされず。違うアベックがやったえさには反応する。かばも美人に弱い。哺乳類から人柄や外見が分かるのだろう。入り口に猫がどうどう鎮座、入ってすぐ横にイチョウが出迎える。


白池地獄。ここでは地熱利用で熱帯魚を飼育している。施設内の休憩小屋が昭和の雰囲気。熱帯魚の水槽も昭和の雰囲気。

鉄輪の公認地獄はこれで終了。徒歩でここから3キロ離れた血の海地獄と竜巻地獄へ移動する。この提案した同居人を恨む。

その3キロの途中。起伏の大きな山道の途中、別府の町を一望する。立ち込める湯煙に温泉街の風情を感じる。

徒歩による移動と我先に歩く同居人に不愉快になりながら、血の池地獄へ。行くとかわいらしい地元の中学生が勤労職場体験をしていた。にらんでごめん。
お土産屋さんの手作りのブリキ細工の車に心ひかれるが、高かったので買わず。

竜巻地獄。到着したらちょうど間欠が終わったところで、次の時間まで2,30分かかるとのこと。それまでぶらぶら獄内をぶらつく。
敷地にある民家(?)の佇まいに、遠くに行っていつのまにか忘れてしまった古きよき時代を思い浮かべる。別府の町はこういう古いものが綺麗に残っている。

獄内山手には椿の花が咲いている。別府の町並みの到るところにこの赤い花が咲いている。もう一つの別府の象徴。


再度、別府駅へ。構内で宝くじを買う。当ったら、また来よう。
人がら、温泉、町並みどれも魅力的な所だった。



バスに1時間ほど揺られて湯布院へ。同じバスでは関西弁のアベックと一緒だった。ここのつがいも女が強そう。男はいつも虐げられる。


バス停で降り、旅亭田乃倉さんへ。格式のある枯れた雰囲気の静かな宿だ。お客の格と宿の格が明らかにつりあっていないと思わせる表造りだったが、宿のスタッフはそういうことを微塵に感じさせない懇切丁寧な対応だったので安堵させられた。
宿の周辺を夕食近くまで散策。


お土産屋街の往来と離れた静かな場所に宿はある。この標識を起点に周囲をめぐる。お土産通り付近は見せることを意識して演出された場所だが、ちょっと道を外れた民家の軒先から田舎の実生活の雰囲気が漂ってくる。その雰囲気の一つ一つが絵になって見える。こういったところが都会の人間の田舎幻想を背負ってくれて、この街の大きな魅力になっているのだろう。

初冬の稜線に沈み夕日。

小川から。深緑の水草が川底を漂っている。

由布岳(?)と上り始める月

銀鱗湖



宿に帰ってから早速湯に入る。自分1人だけでほかにだれもいない。露天風呂から真っ白い満月が見えた。


ここでも新婚旅行ということで気を使ってもらう。ワインを赤白2本プレゼント。静かな部屋と美味しい料理、心安い仲居さんだった。心遣いはありがたい。


分に過ぎたよい旅館。できればまた泊まりたいと同居人と話合う。珍しく意見が一致した。が、たぶん、庶民には手が届かない宿泊料金だろう。


酔っ払って早々に寝込む。夜中、目が覚めて部屋に備え付けの露天風呂に入る。部屋の外から余計な雑音がまったく聞こえない。ひんやりした外気に酔いの残る顔が引き締まる。湯は程よく暖かい。深深と更ける夜にお湯の流れる音だけが響く。
というか、近所迷惑だったかもしれない。