背中痛

 背中が痛いので寝ていた。というより、起き上がろうとするときりっと差し込む痛みが背中に生じるので、それを避けるために仕方なしに寝ていた。半身になって片手を床について起き上がる時も、力任せに腹筋の要領で体を起こすときも同じ刺激痛が走る。体幹部に近いのだから踏ん張るたびに痛くなるのは当たり前と言えば当たり前だけど、これが一つ一つの行動を億劫にさせる。寝返りを打つ時もそうなのがやっかいなところで、いちいち痛くならないところを探りながら体の向きを入れ替える。
 こんなわけで横になっていると些細な体勢の変化に伴って痛みを感じやすくなる。寝ていると余計に痛みを感じる機会が多くなるのが起きる上がりを躊躇させているのは間違いない。起き上がろうとしようとする意思に基づいて行動する時に生じる痛みが、その起き上がろうとする意思の遂行を妨げる結果を招いているあたりが、なんとなく哲学的に深い意味がありそうでなさそうに感じる。
 こんなわけで、だらだらと何をするでもなくテレビを見たり、無為に時間を過ごしてしまう。で、結局、勿体無い一日になる。こうなると同居人の買い物に付き合ってジャスコアピタに振り回された方がまだましに感じる。それもできないとなるとまた憂鬱に拍車がかかる。
 横になると不愉快になるこの痛み自体、やっとこさ起き上がるとどうということはないレベルのものになり、いちいち痛いといって顔をしかめることもない。実際、腕を動かすと若干の違和感を感じる程度。現状が快適かどうか別にして自立した状態で活動できるレベルの痛みなのだけれど、ふと体勢をふいにひねると生じる寝ているときと同じ程度の痛みが気になる。
 昨日の帰りに買ってきた市販の鎮痛薬ではまったく抑えられず、プラシーボ効果のプの字もない。やっぱり病院で処方されるようなもっと強力な鎮痛薬が欲しいと思う。というわけで、明日、病院に行ってこようと思った。けど、面倒くさい上に病院の雰囲気が嫌いだから行かないだろう。


北帰行が始まったようだ。今日は窓の外から白鳥の群れの鳴く声が聞こえる。

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