相対性理論 シフォン主義・ハイファイ新書

　愛とか恋とか、夢とか反社会とか、歌い手の自己主張の強い歌は生まれてこの方どうも苦手というか、聞いていて体がかゆくなる。そういうわけで、ここのグループの歌詞のように一聴無意味だけど、でも深読みしてみれば、もしかしたら作り手の意図している本心ところが見えてきそうな詩は、無意味と有意味の間をさまよって聞き流す身にしてみればうっとおしくなくて極めて調子がいい。
　曲は割りとオーソドックスで聞き流しやすい感じで、だれかに似ているかといえば昔のスピッツをもっとすかすかにしてゆるくした感じ。
　だけど、薄っぺらというわけでなく、すかすかしているからよく聞こえるにやりとするようなアレンジが細部にあったりなかったり、そういう面白いところを発見しながら聞くのに向いているような気がした。
　雰囲気が中央線沿線。懐かしい。よくもわるくも、聞きやすいのでローテーションの一柱になりそうだ。

シフォン主義

ハイファイ新書