自己チュー親子

 子供は半人前。いっちょまえに人権なんてなくて、人間にまだなっていない存在。悪いことをしたら殴ってしつけらても当然。大人はそれをやらないで懇切丁寧に教え諭させる。強く出ない大人を見て、子供は増長。理不尽、不条理なことが世の中にはたくさんあって、どう頑張っても抗えない事実には従うしかない。幼稚な万能感はそれを受容する過程を経て、そがれていく。
 従わなければならない現実の中で、最善の選択を選べるために教育が必要。教育と言えば真っ先にお勉強が頭に浮かぶところだが、それより先に集団の中で我慢することを覚えたり、その集団を維持するため構成員としての立ち振る舞いを学んだ後に、お勉強をすればよい。
 まず、組織や集団の理不尽、不条理なお約束事を容認・受け入れつつ、その範囲で行動できる力を得ることが社会に適応してやっていくために必要な力。今の子供にはそれがない。
 そういう世の中の共通項のルールを学ばず、俺様ルールの延長で閉じた世界である一家庭のルールを学校や社会に当てはめて、ごちゃごちゃ言うのが「自己チュー親子」。
 と、いう内容と理解。

自己チュー親子 (中公新書ラクレ)

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