草枕
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 文庫
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西洋画家の東洋的感受性に従った近代批判。
は、終わりのところで見て取れる。
あと、非人情。
人の世の人情やしがらみから離れたところから、
客観的に対象を捉えることか。
見るもの、聴くもの、触れるものを
臨床検査する人が検体を扱うような姿勢や心持ち?
列車の中の前夫を哀れと見た女は
なぜ、その時になって唐突に見えた前夫に哀れな表情を見せたのか?
奇行は、弱い感情を見せないための自己防衛の手段なのか
彼女自身が弱い自分を見せないため、非人情な人物を演じていた。
その芝居じみた態度が、
突然、現れた前夫に対し、
自分の心を非人情で防備する前に刺激されて
哀れみをかけた表情が表に出た。
画工がいいと思ったのは、
芝居じみた本当の部分が見えない女の表情が
生々しい表情に飾りのない女の情緒の揺れ動きを見出したから?
そうすると漱石の文学論の関数の部分に当てはまって
丸く収まる気がする。
と勝手に解釈してみる。